障害をお持ちの塩絵アーティスト2

塩絵アーティスト香西 弘

~奥様より~

2014年4月23日、夫は突然、一泊2日の出張中.160ccの脳内出血により倒れ、緊急オペ。
その後2ヶ月意識不明に。植物人間になる可能性大!
目覚めても、一生ベット上!歩ける可能性はゼロ。と、言われる中、今では少し杖で、歩けるようになっています。

人望も、厚く、優しく、思いやりがある主人が、いきなり倒れ、目覚めた時には、全く何も出来ない、何も意思のない人になっていました。

塩絵と知り合った頃は(2017年)意思疎通もあまり出来ず、叫んでいる時間も、多くありました。
私が塩絵と知り合った事で、何か一緒に出来ないか?と、模索。
最初は、私が描いた塩絵のバックに指で塩絵絵の具を塗り、一作目のコラボ作品。

その後、主人が下書きし(丸を描くにも、本人は一周では止められず、何重にもなってしまうから、線を生かして)絵を仕上げるコラボ作品。

今では、自分で1枚の作品を完成させる事を楽しんでいて(私は言葉だけで手伝います)、塩絵を通して「自分にもやれる事がある!」と、自信も出てきました。
塩絵は主人の回復のバロメーターでもあります。なにより、夫婦で一緒に出来る事が心から嬉しいです。

塩絵アーティスト マナティ

私は二分脊椎と言う病気で生まれ、両下肢不全のため歩くことができません。母に聞くと、産まれてすぐに医師から「いつまで生きられるか分かりません。
意思の疎通も出来ずベッド上で寝たきりの生活になるでしょう」と言われたそうです。

父と母は、私の将来をとても心配し、どうか愛の溢れる明るい未来でありますようにと願い、『愛未』という名前を付けてくれました。

そんな両親の心配をよそに、小さい頃から好奇心旺盛で楽しことを見つけるとすぐに飛びついてしまいます。途中で違う楽しいものを見つけると、またすぐにそれに飛びついていました。
母は塩絵もすぐに飽きてしまうだろうと思っていたそうです。

しかし、塩絵は違いました。次はどんな絵を描こうと考えるとワクワクし、無心で紐を貼り、塩絵の具で色を付けるときは楽しくてなんでも出来るような気持になりました。
自分でもびっくりしています。

初めて、のり子先生とたかちゃん先生にお会いした時、お二人はとっても優しく笑顔で『よく来たね』と私を迎え入れてくれました。
お教室に入ると光がキラキラと輝いていました。なんだか温かい気持ちになり笑顔になれる場所でした。

そんなある日、のり子先生に「まなちゃん、あなた絶対歩けるよ!」と言われ、驚いて母と顔を見合わせました。
小さい頃歩きたいと思ってリハビリを頑張っていたのに、いつの間にか諦めていた私。
「そうだ‼私は歩きたい‼」ずっと忘れていたこの気持ちをもう一度蘇らせてくれた瞬間でした。

私は『歩こう』と決めました。決めたら不思議なくらいあっという間に物事が進み、周りの人たちがみんなで私をサポートしてくれます。
ありがたいです。

塩絵のワークショップも開催出来るようになり、毎回たくさんの人たちが集まって来てくれます。
完成するとにこやかな笑顔で「楽しかった。ありがとう。」と言ってくれます。
愛がいっぱいのみんなの笑顔に私もありがとうと言いたいです。

塩絵は塩の力で負のエネルギーや感情を浄化してくれます。そして色の力が一歩前に踏み出す勇気とパワーを与えてくれます。

今、私は歩くことに挑戦しています。
これからも出会ったひとみんなと一緒に愛の溢れる明るい未来に向かって、歩み続けたいです。

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